ムラサキカタバミは江戸の終わり頃に外国から導入された品種です。
かつては観賞目的で日本に持ち込まれ、多くの場所で見られるようになりました。
昭和時代の中頃には、特別な観賞植物として育てられていたものの、その生命力により、今日では広範囲にわたって自生し、雑草として認識されるようになりました。
そんな繁殖力の強いミラサキカタバミ、実は環境省に「要注意外来生物」と指定されているという面も。。
根絶することはできるのでしょうか?
また、毒性があるのかどうかについても触れていきます。
ムラサキカタバミは要注意外来生物?

ムラサキカタバミは、環境省により「要注意外来生物」として認識されています。
その強靭な生命力により、生態系に変動をもたらす可能性が指摘されています。
地下に伸びる鱗茎という部分から、さらに多くの小さな鱗茎を生やします。
これらの鱗茎が土中の栄養を高速で吸収し、その結果、ムラサキカタバミの増殖力が高まっているのです。
ムラサキカタバミへの対策
ムラサキカタバミは地下の茎の成長力が極めて高いため、一度広がり始めると、完全な駆除が非常に困難となります。
庭や畑にムラサキカタバミが出現した場合、速やかに駆除に取り組むべきです。
ムラサキカタバミは、アスファルトの隙間からでも生えてくるほど、持ち前の生命力が強いです。
緑地や公園でも容易に繁茂し、一度増えると取り扱いが大変になるでしょう。
その根は地下に深く進入し、多くの方向に広がる特性があります。そのため、地表からの除草だけでは再度発芽し、再び姿を現す可能性があります。
除草薬を活用した対策
ムラサキカタバミへの対応として、除草薬の利用が推奨されています。
地下部まで効果が及ぶグリホサート系の除草薬を選び、根元からしっかりと除草しましょう。
グリホサート系の除草剤を水で薄めて50~100倍に希釈し、ジョウロまたは噴霧器で散布します。
除草剤の成分が葉から浸透して根まで届き、1週間ほどでムラサキカタバミが枯れはじめます。
芝生の場所での使用は注意が必要です。ムラサキカタバミと共に芝生も枯れる可能性があるので、適切な除草薬の選択が求められます。
芝生の場所では、MCPP液剤タイプの除草薬がおすすめです。
芝生を傷つけず、ムラサキカタバミの除草が可能です。
手作業による除草
除草薬を使用する際の環境への影響や健康上のリスクを考慮して、手作業での除草を選択する人もいるかと思います。
根深く抜き取るための道具、例えばシャベルを使用して根から引き抜く方法が考えられます。
定期的に作業を行うことで、徐々に除草の効果を実感できるでしょう。
ムラサキカタバミの根元に道具を差し込むみ、土と共に掘り起こします。
注意点は、掘り起こした土から根が散らばらないようにすることです。
再生防止のための防草シート
除草が完了した後、再繁殖を防ぐために、防草シートの使用を検討することが効果的です。
シートは、植物の成長に必要な日光を遮断し、その増殖を抑制します。
防草シートは、高品質な不織布を使用しており、長持ちするだけでなく、水の通り道を持つ透水性も備えているものもあります。
日光遮断率も非常に高く、ムラサキカタバミが再繁殖するのを効果的に阻止することができます。
風により運ばれる種子が発芽するのも、この防草シートのおかげで防ぐことができるので、特に使用しない季節の草の発生を抑えるのにも役立ちます。
ムラサキカタバミの毒性

ムラサキカタバミには明確な毒性は認められていません。
しかし、シュウ酸を含むため、大量に摂取すると胃腸の調子が悪くなることがあるので注意が必要です。
ムラサキカタバミの花言葉
ムラサキカタバミの花言葉は「心の輝き」「喜び」です。
「心の輝き」という言葉は、この植物が昔から鏡や仏具を磨く際に利用されており、「鏡の草」とも呼ばれることに関連しています。
ヨーロッパの国々、特にスペインやフランスでは、「ハレルヤ」という名前で知られ、それが「喜び」の意味を持つ背景となっています。
これは復活祭に、カタバミが花を咲かせる時期と一致するためです。
ムラサキカタバミの名前の背景
カタバミの名前には歴史的な背景があります。
特に、鎌倉時代から家の紋章として用いられるなど、日本の文化に深く根付いています。
漢字で「片喰」や「酢漿草」と書かれることもあり、それぞれの表記には独自の由来が存在します。
「片喰」は、夜になると片方の葉が閉じる特性を指しており、「酢漿草」はシュウ酸の含有による酸っぱい味を表しています。
その他の英名「Oxalis」も、酸味を意味するギリシャ語からきており、この植物の特性を示しています。
中国語では「酸味草」と直接的に記述されています。
家紋としての利用
鎌倉時代以降、カタバミは家の家紋としての役割を果たしてきました。
繁殖力の強さから「子孫繁栄」を象徴するとされ、多くの武家に選ばれました。
この植物の家紋には、剣と組み合わされるデザインも存在し、武士の精神を表すものとして扱われました。
その可憐な見た目も魅力とされ、様々な文化や歴史の中で重宝されてきたようです。
ムラサキカタバミは要注意外来生物?根絶は可能?毒性についても|まとめ
ムラサキカタバミは、その強力な繁殖力により、日本各地での増殖が問題となっています。
しかし、適切な除草方法や再繁殖の予防策を取ることで、その影響を最小限に抑えることができます。
定期的な手入れと注意を払うことで、美しい庭や緑地を維持することができるでしょう。